history大野屋木工の歴史

Ⅰ.創業。木柄製造を開始

家業である家具関連の木工品製造を行っていた五十嵐仲三は、その木材加工の知識やノウハウを見込まれ、お玉の木柄製造を依頼されます。木板を何層も重ねて加圧圧縮した積層強化木で木柄を製造するのは、当時、県央地区では初の取り組み。昭和37年、画期的な事業内容で五十嵐木工所を創業。主に輸出用のキッチンツールの木柄を製造し、順調に生産量を増量。昭和50年には法人化し、有限会社大野屋木工所として新たなスタートを切りました。

Ⅱ.移転。工業団地で自動化

木材加工分野に自動化設備が次々と登場するなか、昭和53年、大野屋木工所は工業団地に移転し、最新設備を導入。自動化によって、取り扱える木柄の数量、種類とも格段に増え、日産5000本が可能になりました。一方、数量だけでなく正確さも要求されるようになり、精密な長さ測定器ノギスによる検品を開始。精度の高さで取引会社の信頼を得て、順調に売り上げを伸ばしていきました。ところが、昭和59年、生産量の90%以上を納めていた取引先が倒産。倒産の危機に見舞われます。

Ⅲ.転換。2代目社長が決断

取引先も製造品目もひとつに絞ってはいけない――危機回避、また成長戦略のため、2代目社長・五十嵐洋祐は、事業の大きな方向転換を決意します。素材は積層強化木だけでなく天然木も取り扱う、製造品目は木柄だけでなく広く木工製品全般に広げる、取引は一社に限定せず多くの企業と関わること。厳しい時期を経て、平成元年には精密加工が可能になるNCルーターを導入し、守備範囲を拡大。平成9年には、株式会社大野屋木工に組織変更しました。

Ⅳ.胎動。新分野へ挑戦

現在の大野屋木工の主力製品は木柄です。包丁、ナイフ、カトラリー、キッチンツールなど様々な形状・素材の木柄を、燕三条の金属加工企業を中心に納めています。これからは製造依頼を埋めるだけでなく、自社ブランドの製品を発信してきたい、また、デザイナーとのコラボ製品を開発していきたい、そのために新たな人材を受け入れて育成していきたい――大野屋木工は、次代を見据えて一歩を踏み出しています。